M&Aの流れ【売り手】

【売り手必見!】M&Aで売り手がまずやるべきこととは?~その①~

 会社・事業を譲渡したい中小企業・個人事業主の方がまずやるべきことを解説致します。将棋に例えるなら、第1手目の定石の解説です。第1手目でとんでもない手を指さないようにしましょう。

M&Aライブ
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将棋で例えるなら第1手目です。
社長
社長
将棋は得意ですよ!

1.まずやるべきこととは?

 会社・事業を譲渡したい中小企業・個人事業主の方がまずやるべきこと、それは【相見積もりを取る】ということです。具体的には複数の仲介業者・アドバイザーからM&A費用に関する見積もりを出してもらい、価格やサービス内容を比較検討する事です。

 相見積もりはビジネスで必ず行われる行為です。1万円の備品を買う時ですら、複数の会社から相見積もりを取ることがあります。1社からの見積もりではその価格やサービスが安いのか高いのか分かりませんよね。M&Aでも同様に、複数の仲介業者・アドバイザーからM&A費用に関する見積もりを出してもらい、価格やサービス内容を比較検討する事がとても大事なことになります。

M&Aライブ
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必ず相見積もりを取りましょう!
社長
社長
相見積もりですね。

2.なぜ相見積もりを取るべきなのか?

 なぜM&Aでは、複数の仲介業者・アドバイザーからM&A費用に関する見積もりを出してもらい、価格やサービス内容を比較検討する事がとても大事なのでしょうか。以下解説します。

  1. M&Aの費用はとても不透明!
  2. M&A仲介業者・アドバイザーがとても増えてきている!
  3. サービス・品質にばらつきがある!

M&Aライブ
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以下解説します。

① M&Aの費用はとても不透明!

 M&Aにかかる費用の内訳は、皆さんご存じでしょうか?ほとんどの方はご存じないかと思います。一般的には人件費、オフィス賃料、広告宣伝費、諸経費、デューデリジェンス(買収監査)の費用などです。これら費用のうち、最も金額がかかるものはオフィス賃料と広告宣伝費だと思います。M&A仲介業者・アドバイザーは都心の一等地にオフィスを構えたくさんの広告宣伝費を費やしていますので、これらを回収する必要があるのです。実際の費用内訳は教えてもらえないと思いますが、株式上場している仲介業者・アドバイザーは自身の決算書をHP等で開示しておりますのである程度内訳が推測できます。

M&Aライブ
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ほとんど賃料と広告費だったりします。
社長
社長
確かに、大手は凄く儲かってると聞きますね。

② M&A仲介業者・アドバイザーがとても増えてきている

 M&A仲介業者・アドバイザーが日本にどのくらい存在するか皆さんご存じでしょうか?現在日本には、M&A仲介業者・アドバイザーが1,000社から2,000社ほどいるのではないか?と言われています。M&A仲介業者・アドバイザーの価格やサービス内容はとてもバラバラで、驚くほどレベルの低いM&A仲介業者・アドバイザーもたくさんいます。複数のM&A仲介業者・アドバイザーからM&A費用に関する見積もりを出してもらい価格やサービス内容を比較検討してみないと、M&A仲介業者・アドバイザーの質が高いのか低いのかわかりません。

M&Aライブ
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業者が多すぎます!
社長
社長
そんなにいるんですね・・・。

③ サービス・品質にばらつきがある

 宅建業は宅建資格が必要であり、資格保有者のみに認められた独占業務です。しかしながらM&A仲介業務は許可制ではありませんつまり誰でも始められる業務なのです。M&A業界の実態は、仲介業者の数は増えているものの一定のレベルに達したM&A仲介業者・アドバイザーの絶対数が足りていないのが現状です。大手では異業種から転職してきたばかりの新人が担当者になったり、零細では専門的知識が不足した個人がM&A仲介業務に携わっていることがあるようです。

M&Aライブ
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現状は許可制ではありません!
社長
社長
誰でもなれるんですか・・・。

 複数のM&A仲介業者・アドバイザーからM&A費用に関する見積もりを出してもらい、価格やサービス内容を比較検討する重要性をご理解いただけたでしょうか。

3.見積もりを比較検討しよう!

 複数の仲介業者・アドバイザーからM&A費用に関する見積もりを出してもらうため、価格やサービス内容の説明を受けることになるかと思います。実際に仲介業者・アドバイザーに会って説明を受けることが多いと思いますが、zoom会議等、オンラインで説明を受けるケースもあるようです。それでは見積もりを検討する際のポイントを以下解説したいと思います。

  1. できれば2人で話を聞きましょう!
  2. 最低2社、できれば3社見積もりを取りましょう!
  3. 仲介業者・アドバイザーの人柄を見ましょう!
M&Aライブ
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実際に会って話を聞きましょう!

① できれば2人で話を聞きましょう!

 会社の売却を検討していることが従業員の方に知られると、社内や取引先に混乱を引き起こすかもしれません。したがって通常、社長1人もしくは社長と信頼できる右腕の方の2人で進めることが多いようです。社長に信頼できる右腕の方がいれば、2人で仲介業者・アドバイザーの説明を受けたほうがより良いかと思います。複数でお話を聞く場合には情報の管理に注意しましょう。仲介業者・アドバイザーが初心者にもわかりやすい言葉で丁寧に説明できているかどうか判断して頂ければと思います。

M&Aライブ
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わかりやすい説明かどうかが重要です!
社長
社長
一人で判断するよりも二人で、ですね!

② 最低2社、できれば3社見積もりを取りましょう!

 会社・事業の大きさにもよりますが、最低2社、できれば3社から見積もりを取りましょう会社・事業の大きさの目安は、会社・事業の【企業価値】(※①)が1億円を超えているかどうかが目安になると私は考えます。企業価値が1億円以下なら見積もりは2社でも構わないと思います。その際は大手から1社、小規模から1社取りましょう。大手・小規模のメリット・デメリットの比較は、仲介業者・アドバイザー比較のカテゴリーをご覧ください。(※①):企業価値とは事業価値+非事業用資産の価値。もしくは株主価値+有利子負債のこと。詳しくはM&A用語集で解説します。)

M&Aライブ
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大変ですが頑張りましょう!
社長
社長
最低2社からですね!

③ 仲介業者・アドバイザーの人柄を見ましょう!

 人生で1度経験するかしかないかの会社売却。絶対に後悔はしたくありませんよね。そのために最も重要なことは、仲介業者・アドバイザーの人柄だと私は考えます。結婚式に例えるなら、大事な子供の結婚式を任せられる仲人なのか?この人に任せて後々後悔することが無いか?ということになります。このあたりの判断は長年会社を経営されてきた社長様の方が嗅覚がすぐれているかと思います。くれぐれも違和感を感じたり、信用できない人物に会社の未来を託すのはやめましょう。

M&Aライブ
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大事な会社を任せられる、人柄が重要です!
社長
社長
人物判断は得意ですよ!

 複数のM&A仲介業者・アドバイザーに実際会って、その人柄を判断して頂くことの重要性をご理解いただけたでしょうか。M&A仲介業者・アドバイザーに必要なのはコミュニケーション能力・正義感・行動力・相手の立場に立って考えることが出来る人などです。その人柄がとても重要なのです。

4.妥当なM&A費用か?

 複数の仲介業者・アドバイザーからM&A費用に関する説明を受け、アドバイザーの人柄も知ることが出来ました。またM&Aに関する費用も知ることが出来たと思いますが、ビックリするくらい高いと感じた方がほとんどかと思います。 また費用内訳は様々だと思いますが、着手金と成功報酬に分かれていることが多く、成功報酬についてはレーマン方式と言われる計算方式で算定されることが多いようです。以下、M&Aに関する費用について検討致します!

  • 着手金とは?
  • 成功報酬とは?
  • 総額で判断しましょう!
M&Aライブ
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驚きの金額です!
社長
社長
高くてビックリしましたよ・・・。

① 着手金とは?

 着手金とは、仲介業者・アドバイザーと契約を締結した時点で生じる手数料のことです。企業概要書作成や買い手候補の選定等にかかる費用であり、通常M&Aを途中で断念しても返ってこない費用となります。着手金の支払いが発生する 仲介業者・アドバイザーと契約を結ぶ際は、着手金を含めた総額がいくらであるか確認することが大切となります。着手金は返ってこない費用のため、M&Aが確実に成功するかどうかを見極めることも重要となります。M&Aに必ずかかる費用が先払いとなるか後払いとなるかの違いです。

M&Aライブ
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先払いの分、注意が必要です!
社長
社長
了解しました!

② 成功報酬とは?

 成功報酬とは、M&Aが成立した段階で生じる費用のことです。M&Aが成約した段階、売り手にとっては株式売却による収入を得た段階で発生する費用のため、支払いが楽になるといったメリットがあります。また M&Aを途中で断念しても発生しない費用である、といったメリットもあります。 仲介業者・アドバイザーの多くは取引金額に一定の料率をかける「レーマン方式」という計算方法で成功報酬を計算しています。ただしこの成功報酬がとんでもなく高い仲介業者・アドバイザーが散見されます。見えにくい費用のため、必ず事前に費用概算を確認することが大切です!

M&Aライブ
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メリットもデメリットもあります!
社長
社長
最後にドカンとくる感じですね・・・。

③ 総額で判断しましょう!

 M&Aにかかる費用は着手金・成功報酬等がありますが、M&Aが成立した場合、総額でいくらかかるのかを事前に算定しておくことが大切です。着手金100万円・成功報酬900万円の仲介業者・アドバイザーと、成功報酬1,000万円の仲介業者・アドバイザーであれば、総額は同じ1,000万円なので後者の方が返ってこない費用が無い分お得です。しかしながら 着手金100万円・成功報酬600万円の仲介業者・アドバイザーと、成功報酬1,000万円の仲介業者・アドバイザーであればどちらがお得でしょうか。総額で比較すると700万円と1,000万円となり、どちらがお得か判断が難しくなります。私は会社売却・譲渡の意志が固ければ前者がお得であると考えます。必ず費用総額で判断しましょう!

M&Aライブ
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総額で判断しましょう!
社長
社長
ぜひ手取り分を増やしたいです!

引き続き、M&Aで売り手がまずやるべきこととは?~その②~で解説していきたいと思います。

M&Aライブ
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続きます!